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2007年12月29日土曜日

義理人情




今年の春先に大事件が起こりました。

野菜の売上が、心無い業者の詐欺により債務不履行。

私の売上は約250万円超ありましたが、その売上が消えてしまうという事件が起こったのです。

事の発端は、地元の友人からの誘いでした。

友人は、市場を通さないで、大阪のスーパーに野菜を売ることになったみたいです。

野菜の販売では1種類だけではなく、何種類もの野菜をまとめて取り扱えると、交渉力が強くなります。

そこで、友人は彼の栽培する野菜の種類に加えて、私の野菜も一緒に扱いたい。

私の野菜を大阪スーパー用に少し回して貰いたいとのことでした。


とりあえず、私は断る理由も特になかったので、野菜を回すことを承諾しました。(彼は、古くから市場を通さない契約栽培の実績があったのです。父親は市議会議員。)


しかし、彼も茨城県の人間です。

大阪の小売さんと直接取引しているわけではありませんでした。

大阪の野菜を取りまとめているブローカー的人間からの提案で、茨城県産の野菜を大阪に送るという企画ができたみたいでした。

それから、野菜を友人に回すようになり、売上金が250万円を越えたあたりで、友人から連絡がありました。

大阪のブローカーが消えてしまったとのことです。

ガーン!!
売上金250万円が突然消えてしまうというのは私にとってはかなり痛い事です。

わきが甘かったといえばそれまでですが、なんてこったい。

しかし、

私の友人は、日本人でした。

彼は、分割ではありますが、私に売上金を支払ってくれているのです。

今日も、20万円受け取りました。

彼も、私以上に売上金が消えてしまった被害者であるにもかかわらずです。

私は、今年の農業経営の厳しさを知っています。今年の冬、1月2月3月は暖冬だったため、例年に比べて野菜の値段がものすごく安値で取引されていました。

スタートダッシュで躓いた農家の皆さん。

ここに来て、石油価格の高騰などを受け、資材費・運賃等、出荷経費は軒並み高騰しています。

かといって、野菜の市場価格は高くはなりません。

一番弱いところの値段が上がるのは一番最後なのです。

美味しいところは強者から、辛いところは弱者からと社会の相場は決まっているのです。

農業の利益はかなり薄くなっています。

私の農園でも、今年の売上は8、000万~1億円くらいを見込んでいましたが、終わってみれば6、500万円程度におさまりそうです。

非常に予想を下回る結果となってしまいました。しかも利益率は低くなっているのです。

そういう状況もあるので、私は友人に言いました。

売上金が詐欺に会ったのは君の責任ではないし、君も被害者なんだから、私の売上金を君が自腹を切って支払わなくて良いよ。と。

しかし、それでも彼は、支払をしてくれます。

義理人情。

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