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2008年1月9日水曜日

チンゲン菜 グルメ

今日は、地元の農業研究会に参加しました。

チンゲンサイ研究会という、チンゲンサイを栽培する農家の団体で

す。

4年前くらいから、美味しいチンゲンサイ作りプロジェクトというものを立ち上げました。

美味しいチンゲンサイとはそういうものなのか?

という疑問から始まり、

度重なる、野菜の成分分析と試食の結果。

野菜の硝酸態窒素という成分が多ければ多いほど苦味、エグミが強くなることが分かりました。

そして、硝酸態窒素の成分が多いほど糖分は少なくビタミンcも少なくなるという結果がでました。

甘みと、苦味は反比例の相関関係になっているということです。

そして、食味試験を繰り返した結果、苦味成分の硝酸態窒素が少なく糖分が多いものが美味しいという結論に達することができました

味の好き好きは人によって異なりますが、概ね一般的には苦味が少なく甘みが多いものの方が好まれます。



そのことが明らかになった後、

今度は、畑に散布する肥料成分の量と、収穫された野菜の成分の相関関係を何度も何度も実験しました。

その結果、肥料成分はチンゲンサイが生育するのに必要ぎりぎりの量が望ましいということが分かりました。

しかし、このようにして作ったチンゲンサイは現時点では市場には全く流通していません。

なぜか?

理由は、消費者の皆さんがチンゲンサイを購入する時の基準にあります。

全員ではないかと思いますが、大多数の消費者の方は、野菜の見た目を重要視する傾向が強いです。

やはり、安全・安心がいい。
もしくは、美味しい野菜がいい。

と頭では理解していても、どうしても視覚的な影響を受けてしまうのが人間です。

人付き合いでも、第一印象は見た目から入ってしまう傾向が誰にでもあるのではないでしょうか?

この視覚効果に惑わされなくなるまでには、相当な経験を積んだ人じゃないと難しいと思います。

そういうわけで、チンゲンサイも

先ず、見た目。

緑色が濃くて、新鮮に見えるチンゲンサイが好まれます。

しかし、畑でチンゲンサイを栽培している途中で万が一肥料成分が切れてしまうと、葉っぱは黄色がかってきます。

黄色がかったチンゲンサイは市場価値が低くなり、非常に安値で取引されてしまいます。

農家はそれでは食べていけないので、必要最低限の肥料成分の散布は怖くてなかなかできません。

どうしても、セーフティネット的に、少し多めに肥料成分を散布してしまうのです。

しかし、多すぎる肥料成分は、野菜の養分吸収を過剰にしてしまい。硝酸態窒素等の成分値が高くなってしまうのです。

そういう事情の中で、私達チンゲンサイ研究会は、

自分たちの畑すべてというわけではないけれど、一部の区画を、美味しいチンゲンサイ専用の畑にするべく。

相当長い月日をかけて、土中の肥料成分の調整を行いました。

その、一部の区画を利用して、美味しいチンゲンサイを少し、市場に出してみようということになったのです。





さらに研究を進めた結果、

一般的に販売されているものよりも、より生育日数を多くして、株を大きくしたチンゲンサイの方が、

硝酸態窒素が少なくなることが判明しました。

ただこれも実は普通の農家には難しいのです。

生育期間を長くすることによって、年間の畑の回転数が少なくなってしまいます。

年に、1作少なくなってしまえば、

農家としては収入の減少になってしまいます。

だから、大きく育てた方がいいとわかっていてもなかなか実行には移せないのです。



しかしながら、私達チンゲンサイ研究会では、

今年、2月から、実際にそれらを販売することにしました。

肥料の問題。生育日数の問題を何とか耐えて、一部の区画で栽培し始めたのです。

本当にいいものを食卓に届けたいという思いからです。


本日、卸売り業者の代表の方(築地・新宿市場で活躍されている)を招いて、商品化の打ち合わせをしました。

この社長さんも、良いものを扱いたいという情熱を持っている方で、初めての取り組みであるにもかかわらず、

商品化の合意に達することができました。

早ければ、2月3月には食卓に上る日も近いのではないかと思います。

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